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整形外科・内科のえにわ病院|医療に関することは?
医療に関することは?
上肢・肩関節
肩関節
[はじめに・・・]
肩関節は人体の関節の中で最大の可動域 (動かすことのできる範囲)を持った関節です。そしてたくさんの筋肉がバランスよく動くことによってさまざまな動作を可能にしています。
そのために生じる病気も数多く存在します。
筋肉や腱などの炎症、断裂によって肩が痛くなることや(腱板断裂)、関節包(骨を包む袋)の障害によって肩が脱臼しやすくなる(反復性脱臼)などが代表的なものです。

肩関節鏡は皮膚や筋肉の正常な組織を出来る限り損なわず、炎症や断裂している部分を観察し、修復することが出来る手術方法であり、近年盛んに行われるようになってきました。ここでは、肩関節の代表的な病気(疾患)と、当院で行っている肩関節鏡手術について紹介します。
肩関節脱臼
スポーツ中のけがで外れる場合が多く、肩をぶつけてしまったり、転倒したときに発生します。一度外れると肩が外れやすくなり(脱臼癖)、肩を動かすと外れそうな不安感が生じます。
■ どうして外れやすくなるの??
肩関節を包んでいる関節包という袋の中にある関節上腕靭帯や関節唇が肩甲骨関節窩から剥がれてしまうために、上腕骨が関節から外れやすくなっています。
■ 診断は??
関節上腕靭帯や関節唇は骨ではないので、レントゲンには写りません。そのため、MRIや造影CT検査を行う必要があります。これらの検査を行うことにより、靭帯や関節唇の断裂が診断できます。
■ 治療法は??
断裂した靭帯や剥がれた関節唇をもとの位置に戻す手術を行うことによって、不安感はなくなり、外れないようになります。
手術方法として現在、関節鏡手術と直視下手術の二種類の方法が行われています。


1、直視下手術(切開手術;メスで大きく切る手術)
従来から行われてきた方法で、手術後の再脱臼が少ない(約5%)という利点がありますが、 傷が大きく、外旋動作(肘を曲げて前腕を開く動作)の制限が残りやすく、かたくなる場合があります。
2.関節鏡手術(内視鏡手術;メスで穴をあけカメラで観察し、処置する手術)
正常な皮膚や筋肉などの組織の損傷が少なく、傷が目立たない、痛みが少ない、動きの制限が少ないなどの利点があります。手術手技が困難であり、手術後の再脱臼が多い(約10−15%)といわれてきました。
筆者は1996年以降約220人の関節鏡手術を行ってきましたが、再脱臼は約3.7%と切開手術よりも再脱臼は少ない状況です。2003年に当院に赴任以来、約90人の脱臼患者さんを治療してきましたが、手術方法の改良や手術器具の進歩に伴って、再脱臼は2.2%に減少しております。今後も再脱臼率0%を目標に技術の向上に努めます。
肩関節脱臼
切開手術の傷
肩関節脱臼
関節鏡手術の傷
■ 鏡視下手術症例数112例(2003年4月〜2007年12月)
2003年 18例
2004年 26例
2005年 19例
2006年 27例
2007年 22例
腱板断裂
腱板とは肩を挙上するための筋肉の総称で、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋という4本の筋肉を言います。これらの筋肉が協調して肩が動きます。
腱板断裂とはこれらの筋肉の腱部分が切れてしまう状態です。
■ どうして切れるの??
転倒するなどのけがが原因となる場合と、肩の使いすぎで擦り切れる場合があります。
■ 症状は??
肩が挙がらない、肩を挙げる動作が痛い、夜寝るとシクシク痛い、などが主な症状です。
■ 診断は??
腱はレントゲンには写りません。腱の断裂はMRI検査によって発見できます。
■ 治療は??
痛み止めの内服や注射、リハビリといった保存療法で痛みがなくなる患者さんが多いです。
■ 手術??
3ヶ月以上痛みが続く人や、肩をよく使う人、肩に力が入らない人などでは、手術が必要となることがあります。
■ 手術方法は??
腱の切れた大きさによって手術方法を選択します。


腱板の断裂が小さい場合
関節鏡手術が可能です。
関節鏡視下腱板縫合術
腱の断裂部位を関節鏡を使って確認し、アンカーという糸のついた釘を骨に埋め込み腱を縫合する方法です。
方法
関節鏡視下腱板縫合術 関節鏡視下腱板縫合術
小さい断裂の場合は、アンカーを1つ、大きい断裂の場合は、アンカーを3個から4個使って断裂した腱板を縫合する
腱板の断裂が大きい場合
関節鏡手術か切開手術か??
腱の断裂が大きい場合、関節鏡手術や切開手術を行いますが、縫合した腱が再断裂する危険が高く注意が必要です。手術後は装具や枕を肩に装着し注意深くリハビリを行います。
手術の後は??
装具や、枕、三角巾、バストバンドなどを使って、肩を固定します。
リハビリの先生と徐々に肩を動かす訓練を行います。
日常生活は1〜2ヶ月で可能となりますが、筋力が十分回復するまでに3ヶ月はかかりますので、重いものを持つ動作(重労働)は3〜6カ月は控える。
■ 鏡視下手術症例数334例(2003年4月〜2007年12月)
2003年 24例
2004年 34例
2005年 61例
2006年 91例
2007年 124例
五十肩
■ 五十肩ってどんな病気??
“肩関節周囲炎”、“肩関節拘縮”などいろいろな病名で表現されます。
肩関節包という肩関節を包む袋の中で炎症を起こすことによって起こる病気です。
■ どんな症状がでるの?
肩が動かない、動かすと痛い、夜寝ているとシクシク痛いなどの症状がでます。
■ 診断は??
骨の病気ではないのでレントゲンでは診断が困難な場合があります。また、腱板断裂の症状とよく似ているため鑑別が必要です。MRI検査で腱板が切れていない、造影検査で関節が広がらないなどで診断を確定します。
■ 治療法は??
痛みの強い時期には痛み止めの内服や注射で痛みを和らげます。痛みが少なく固まってしまった時期では、ストレッチなどのリハビリを行うことで動きが回復してきます。
■ 手術??
注射やリハビリを行っても動きが良くならない場合に手術を行います。 関節鏡を使って硬くなった関節包を切離する方法で肩の動きの回復に努めます。
■ 鏡視下手術症例数38例(2003年4月〜2007年12月)
2003年 8例
2004年 8例
2005年 13例
2006年 5例
2007年 4例
スポーツ障害肩(投球障害肩)
野球の投球動作や、バレーボールのアタック、テニスのサーブなどの動作を繰り返すことで、肩の痛みが発生します。筋肉の疲労で起こるので、安静にしていると回復する場合が多いですが、痛みを我慢して続けた場合、腱板断裂や関節唇損傷などが起こってしまいます。腱板断裂や関節唇損傷が起こってしまうとリハビリや注射などでは痛みが取れなくなり、手術が必要となる場合があります。手術は関節鏡を使って損傷部位を確認し、修復します。関節唇縫合や腱板縫合は脱臼手術、腱板手術の項目で書いた通りです。
(文責 玉井幹人)
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